適用事業
■適用事業(法3条1項)
「労働災害補償保険法においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。」とされる。つまり、、労災保険法は、原則として労働者を使用する事業全てに適用される。
なお、労災保険の適用事業については、以下の点に留意しておく。
1:宗教法人、学校法人、特殊法人も、適用事業である
2:JR、NTT、JT、日本郵政株式会社(かつて公社や国の現業部門であったもので民営化したもの)も、適用事業である
3:派遣労働者の場合は、派遣元事業主の事業が適用事業とされる
■適用除外(法3条2項)
「国の直営事業、官公署の事業(労働基準法別表第1に掲げる事業[現業]を除く)及び船員保険法第17条の規定による船員保険の被保険者については、労働災害補償保険法は、これを適用しない」とされる。
1)官公署(公務員)
官公署(国及び地方公共団体の期間)には、原則として国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法が適用され、労災保険法は適用されない。ただし、地方公共団体の現業部門の非常勤職員には、地方公共災害補償法が適用されず、労災保険法が適用される。
※国家公務員が労災保険法の適用を受けることはない。
独立行政法人国立印刷局や独立行政法人造幣局などの特定独立行政法人の職員には、国家公務員災害補償法が適用され、労災保険法は適用されない(国家公務員扱い)。それ以外の一般の独立行政法人の職員には、労災保険法が適用される(民間扱い)。
■適用労働者
労災保険法の適用を受ける労働者のことを「適用労働者」という。「労働者」の範囲は、労働基準法の場合と同様で、個人事業主、法人の代表取締役はもちろん、同居の親族なども原則として労災保険法の適用を受けないことになる。反対に、「労働者」である以上は、アルバイト、パート、臨時雇い、日雇い労働者、外国人労働者(不法就労者を含む)などであっても、「適用労働者」になる。
※派遣労働者の場合は、派遣元事業主の事業が、労災保険法の適用事業とされる。また、2以上の事業に使用されるものは、それぞれの事業において、適用労働者となる。